家づくり

階間エアコンのQ1.0住宅(冬)

先日、新住協東京支部でZOOM研修会がありました。
そこで発表した資料をもとに、階間エアコンを使用したQ1.0住宅の冬の状況をご紹介いたします。
研修会の中で、『階間』の読み方について(かいかん)と(かいま)どちらでしょうとのとの問いがありましたが、考案者の鎌田先生より『かいかん』で統一しましょうとの回答がありました。今後は「かいかんエアコン」という呼び方で統一して行きましょう。

2世帯6人が暮らすQ1.0住宅です。
Q1.0住宅とは?:HOME > 快適な家 > 超高性能Q1.0住宅
1階天井内(2階床下)に設置した階間エアコンを使って、家全体を冷暖房する方法です。特別変わったものを付けるのではなく、家電量販店などで購入できる一般的な壁掛エアコンを使用しています。

1階
2階
小屋裏
断面

建物南側を切った様子です。
1階・2階ともに階間エアコンを利用して冷暖房します。

2階に個室のある部分を切った様子です。
2階個室は下階への音漏れを懸念して、床ガラリは設置していません。冬は床からの輻(ふく)射熱を利用、夏は小屋裏の予備エアコンを使用します。

住宅の概要・空調の概要は下記のページで詳しく解説しています。
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各部屋の温度・湿度の変化

12月19日午前9時20分から12月21日午前7時51分までの温度変化です。
暖房は階間エアコンのみ運転。
設定温度23℃で24時間運転しています。

階間エアコン利用の1階と2階のLDKは、設定温度である23℃前後で安定しています。
階間エアコンの暖房を送り込んでいない2階寝室でも、LDKと比べて-1.0から-1.5程度の温度差で落ち着いています。

続いて湿度の変化も見てみましょう。

湿度交換も行う全熱交換式の換気システムを採用しているのですが、温度の変化によって相対湿度も変化します。
部屋の温度を高めに設定しているため、湿度が30%近くまで下がっている部分もあります。エアコンの設定を20℃くらいまで下げれば適湿になるはずですが、家族一同寒がりで、そのくせ重ね着が好きではない人たちなので加湿器で調節することにしました。

各部の表面温度

12月30日午前11時から12時にかけて計測した建物各部の表面温度です。

1階
2階
小屋裏

計測した時間が昼ということもあって、1階・2階とも日当たりの良いLDKは室温25℃と暖まりすぎてしまっています。
階間エアコンなので当然ですが、1階は床よりも天井が暖かく、2階は天井よりも床のほうが暖かくなります。

断熱性・気密性が非常に良いQ1.0住宅では、床・壁・天井の表面温度にムラが少なく、部屋の空間もほぼ同じ温度となります。
高断熱高気密といってもその性能が十分に発揮されない住宅では熱が逃げていく弱点があって、その部分では気温が下がり、同じ部屋の中でも温度のムラが発生します。

十分な断熱性をもって、しっかりと気密性を保つように施工された住宅を体験された方には分かっていただけると思いますが、そういう家とそうでない家では同じ23℃でも暖かさがまったく違って感じるのは、上記のように部屋の部分で温度ムラが有るか無いかの違いによるためなのです。


入居して半年以上が経ち、この家になれてきたこともあって、この冬は快適に過ごすことができそうです。
昨年の夏は勝手がわからず、9月ごろにようやく室温を安定させることができたような状態だったので、今度は今年の夏をどのようにして快適に過ごすことができるか模索してみようと思います。

2件のコメント

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